プロに任せるということ

ときどき、もの凄く調べ物をしていらっしゃる患者さんがいる。


「・・・は、○○と言われているようですし、支持する論文もたくさんありますが、そうなんですか・・・」
「う^^^ん、そうですねぇ〜〜、そこはたしかに議論の多いところで・・・まあ議論が多いというのは、未だ正解がない、ということなんですよね・・・で、それを個別に判断するためには、詳しい背景を知る必要があるんですが、それをここで話すのは、たいへんなんです・・・え、教えて欲しいって・・いや・・う〜〜ん・・難しいというか、無理というか・・・」




「先生! この間のこと、調べてきました・・・○○は、**ということだったんですね!」

「・・・まあ、そうとも言えますが、それはあまりに短絡な・・・いや、まあ、そういうことにしましょう、で、貴方はどの治療を選択しますか」


「あの、もう一つ質問、いいですか? ここに書いてある***というのは、どういう意味なんでしょうか?」

「・・・・・(よわっちまったなぁ、あのね、アタシはここで医学生に授業しているわけじゃ、ないんです。外来業務をしてるんですわ。そりゃアナタが納得して下さることを望みますが、はっきり言ってその理解力じゃあ、無理なんですよ。ゴメンナサイ。でもね、理解できないアナタが悪いわけじゃ、ありません。実際、ほとんどの方は理解できなんです。なぜって、僕らはコレを理解するのに医学部で6年勉強して、外科医の経験を10年も積んだのですから。だから、かいつまんで申し上げたことをそのまま受け取って頂いた方がよろしいかと。アナタが損をしないように、最大限はかった上での選択肢をお示ししているんで、そこのところを分かって信用して欲しいんですけど)・・・」


「センセ! どうしたんですか! 何、ふにゃふにゃしてるんですかっ!」



がんばる、努力する、それは美しい態度だ。
でも、どんなに頑張っても、その領域の専門職にはかなわないと思う。


私もそれは理解しているので、領分外のことはすべてお任せするようにしている。
それは、プロフェッショナリズムに対する敬意と思っている。